おうちサロンは自宅をサロンとして開業できるため、店舗を構えたり、テナントを借りたりしての開業と比べて開業資金を安く抑えられるという特徴があります。
もちろん、安く済むとはいっても一定の資金は必要です。
この記事では、おうちサロンを開業するにあたって、開業資金をどれぐらい用意する必要があるのか業種別・場所別に紹介します。
おうちサロン開業資金の内訳
まず、おうちサロンを開業するにあたって必要となる費用の内訳を紹介します。
ここでしっかりと内訳を理解しておかないと、後から思った以上の出費になってしまうこともあり得ますのでしっかりと押さえておきましょう。
内装工事などの改装費
一つ目は内装工事などの改装費です。
自宅がそのままサロンに利用できると言っても、普段使っている部屋やリビングにそのままお客様をご案内して施術する場所として使うには無理がありますよね。
元々部屋が余っていたり、普段からほとんど汚さずに使っていたりする場合などはあまり考えなくていい費用ですが、壁紙や床、カーテンなどを変えるケースは多くそこに費用が発生します。
選ぶ材質や種類、グレードによって費用は変わってきますが1室を改修する場合であれば安く抑えたとして10万円以内に収めることも可能です。
しかし、こだわり始めると費用は青天井で増えていきますので、ある程度のラインで妥協が必要になることもあるでしょう。
広告宣伝費
次に重要になるのが広告宣伝費です。
広告宣伝費にはチラシやPOPといった販促物からホームページの作成にかかる費用までを含めます。
おうちサロンの開業を検討している人の中には広告宣伝費を軽視している人も多いですが、ここに費用を全くかけないとなると、集客が全くできず開業が失敗に終わってしまうケースが多いのです。
販促物やホームページを手作りすることで費用を抑えることはある程度可能ですが、クオリティが低くては集客につながりません。
費用が高ければ高いほど良いというわけではありませんが、ある程度のクオリティは担保しておきましょう。
とくに、ホームページはおうちサロンの集客を考える上で必須です。
ホームページがないだけでお客様の信頼度は一気に低下してしまいますし、ホームページ上でうまく集客できれば他の販促費のコストを抑えることもできます。
知識がない人にとってホームページの作成は高額に思われがちですが、あまり凝ったものでなければ数万円から作成は可能です。
クラウドワークスやランサーズといった、個人に仕事をお願いできるサービスを利用すれば安く抑えることも可能なので、ホームページを作成する場合には検討してみてください。
設備準備費用
開業するサロンの種類によって必要な設備は変わってきますが、お客様が座るいすやソファ、施術の際に用いるベッドや台などは新たに用意することをおすすめします。
内装の雰囲気と一致しておらず生活感が出てしまっている家具や設備では、お客様にとって居心地の良い空間とは言えません。
しっかりと費用をかけて新しく部屋の内装に合った設備を用意しましょう。
費用の相場は家具によってピンキリですが、一式揃えるとなると10万円はみておいた方がいいですね。
雑費
最後に意外と馬鹿にできない出費の中に雑費が挙げられます。
タオルやティッシュなどの備品からお茶や食器といった備品まで新しく用意するとなると、思ったより費用がかかってしまうことも多いです。
雑費の計算が頭に入っておらず開業するにあたって出費がかさんでしまうというケースも多いため、たかが雑費と馬鹿にせずにしっかりと計算に入れておくようにしてください。
雑費にもこだわりがあるだけで、来店していただいたお客様への満足度の向上に影響があります。
おうちサロンの開業資金は業種や場所で変わる
開業資金の内訳をご紹介しました。
次に具体的に必要となる資金を紹介していきますが、業種や場所によって必要な資金は大きく変わってきます。
ご自分の開業の際の形式に当てはまっている項目をしっかりと確認するようにしてください。
また、業種、場所問わず前述した内装費や広告宣伝費が発生しますので、そちらは今回一式でその他初期費用として50万円で計算しています。
業種別
まずは業種別として5つの業種の一般的な開業資金の相場をご紹介します。
ネイルサロン
ネイルサロンを開業するにあたって追加で必要となるコストは、ネイル商材費として20万円ほど見ておけば良いでしょう。
必要な開業資金としては
ネイル商材費(20万円)+その他初期費用(50万円)=70万円
比較的コストは安く済む部類だと言えます。
まつエクサロン
まつエクサロンを開業するにあたって追加で必要となるコストは、まつエク商材費としてこちらも20万円ほど見ておけば良いでしょう。
人工まつげやツイザー、グルーなどの消耗品を含んでいます。
必要な開業資金としては
まつエク商材費(20万円)+その他初期費用(50万円)=70万円
ネイルサロンと同様に比較的コストは安く済む部類だと言えます。
エステサロン
エステサロンを開業するにあたって追加で必要となるコストはエステ関連備品として20万円ほど必要な上に、施術に使う美容機器などによって大きく変わってきます。
安いものであれば10万円で一式揃うこともあれば、100万円以上かかることもあります。
必要な開業資金としては
エステ関連備品(20万円)+美容機器(10万円〜100万円以上)+その他初期費用(50万円)=80万円〜170万円以上
おうちサロンの中でも比較的コストがかかるサロン形態と言えます。
美容機器にはコストの上限はないといっても過言ではないので要注意です。
リラクゼーションサロン
リラクゼーションサロンを開業するにあたって追加で必要となるコストは、初期費用のベッドを質の良いものに変えれば良いぐらいなので10万円追加で見ておけば良いでしょう。
必要な開業資金としては
質の良いベッド費用(10万円)+その他初期費用(50万円)=60万円
今回紹介する5つの中で最も安く開業できる部類だと言えます。
お教室系サロン
お教室系サロンには料理教室やフラワーアレンジメント、茶道などいろいろな種類がありそれによっても費用が変わってきます。
フラワーアレンジメントなどの比較的準備するものが少なくて済む場合で追加費用10万円、お料理教室に至っては広いスペースと調理器具が必要なので50万円〜100万円ぐらいかかることもあります。
必要な開業資金としては
各種準備費用(10万円〜100万円)+その他初期費用(50万円)=60万円〜150万円
教室の種類によって変わってきますが、ものによっては100万円を超えてくる場合も多いです。
場所別
業種別に5種類の場合における開業資金の具体例を紹介してきました。次に場所別で追加の費用が発生するケースをご紹介します。
おうちサロン以外の形式での開業を検討している方はぜひ参考にしてください。
自宅
自宅の場合は冒頭で紹介した初期方と変わりませんので必要な資金50万円ほどと言えます。
それに追加して業種別に費用がかかるイメージです。
賃貸マンション
賃貸マンションは物件の場所によって大きく相場が変わるのですが、ワンルームだけ借りるケースが多いので、家賃としては追加で概ね5万円〜10万円ぐらいでしょう。
プラスで物件契約の際の初期費用として20万円ほどかかることが多いです。
必要な開業資金としては
賃貸費用(5万円〜10万円)+物件契約の初期費用(20万円)+その他初期費用(50万円)=75万円〜80万円
となっています。
テナント
テナント契約の場合は場所や条件によって賃貸マンション以上に大きく相場が変わってきます。
保証金や仲介手数料、前家賃や保険料まで含めると100万円程度になることが多いです。
必要な開業資金としては
テナント契約に関する初期費用(100万円)+その他初期費用(50万円)=150万円
となっています。
かなりコストがかかるので潤沢な開業資金が必要になります。
レンタルサロン
レンタルサロンは賃貸マンションとは異なりサロンとして用意された場所を借りることが可能なため、設備投資などを安く抑えられることが多いです。
一方で賃料は少し高くなる傾向にあります。
必要な開業資金としては
賃貸料(10万円)+その他初期費用(30万円)=40万円
おうちサロンと比較しても安く済ませることが可能な開業形態なので、レンタルサロンはコスト面で非常におすすめの形態となっています。
居抜き物件
居抜き物件は元々サロンとして営業されていた場所の設備を残した状態で利用できる物件のことです。
もともとあったサロンのスタイルと変わらない物件でしたら、費用を安く抑えることが可能になります。
一方で自分のイメージする内装と大きく異なる場合は内装工事費が高くついてしまうので、物件によって相場は大きく変わってきます。
必要な開業資金としては
賃貸契約料(30万円)+その他初期費用(30万円〜80万円)=60万円〜110万円
自分の開業しようとするサロンの形態と似た形態の居抜き物件が見つかった際には、コストを安く抑えられるためおすすめです。
おうちサロンの開業資金を集める方法
おうちサロンを開業するにあたって資金は多いに越したことはありません。
しかし、限られた開業資金で開業を行わないといけないケースの方が多いでしょう。そういった場合には国の援助を受けることもおすすめです。
援助には以下の2種類があります。
- 返済義務のない支援(例:助成金、補助金)
- 返済義務のある支援(例:融資)
返済義務のない支援金の方がありがたい存在と言えますが、条件がある場合が多いため誰でもが利用できるものではありません。
逆に融資の場合は返済義務が生じますが、条件面では比較的自由度がありますのでどちらの支援形式も候補に入れてしっかりと計画を立てて活用するようにしましょう。
自宅でサロンを開業する際に役立つ助成金や補助金について知りたい方は「おうちサロンの開業資金に使える助成金&補助金まとめ」もお読みください。
おうちサロン|自宅サロンの開業資金に使える助成金&補助金まとめまとめ
今回ご紹介したようにサロンを開業するにあたっての開業資金は業種や場所によって大きく変わってきます。
なるべく安く抑えられるおうちサロンの場合でも設備投資で大きく変わってくるので計画段階でしっかりと資金を確保しておくようにしましょう。
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