「おうちサロンを開業したいけれど資格や届出は必要?」と疑問を持つ人は多いです。
資格はおうちサロンで提供するサービス内容によって必要かどうかは異なります。
一方でどの業種でも提出が必要となるのが開業届です。
開業届は管轄の税務署に事業を開始したことを知らせる書類で、サロン開業日から1ヶ月以内の提出が目安となっています。
この記事では、おうちサロンの開業にあたって必要な資格や届出を業種別に解説しますので、興味のある業種があるならチェックしてみてくださいね。
おうちサロンの開業届はどの業種でも必要ですので、開業届の提出手順が知りたい方は「おうちサロンに開業届は必要?提出方法やメリット・デメリット」をご覧ください。
おうちサロン|自宅サロンに開業届は必要?提出方法やメリット・デメリット自宅でネイルサロンを開業するのに必要な資格・届出
自宅でネイルサロンを開業するにあたって必要な資格や届出はありません。
ネイルサロンは営業するための施設基準がないので、必要な設備の備品が準備できればすぐに開業できます。
ただし、ネイルサロンでネイル以外のメニューや物品を販売する場合には注意が必要です。
たとえば、まつエクやまつ毛パーマのメニューです。まつエクやまつ毛パーマを行う場合は、美容師免許が必要になります。
また、ハンドマッサージのメニューも見かけますが、マッサージという表現は「あはき法」により国家資格がない人は使用できません。
そのため、ネイルサロンで行うサービスはリラクゼーションを目的としたトリートメントになります。メニューの表記には気をつけましょう。
ネイルサロンで化粧品やサプリメントを販売する場合、店頭のPOPやサロンのHPなどで商品を紹介するときの文面にも注意が必要です。
「健康に効く」「殺菌できる」「ウイルスを死滅させる」などの表現は、薬機法に触れる恐れがあります。
ネイルサロンの開業にあたって保健所への届出は不要です。しかし、2010年9月に厚生労働省より「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」が発表されました。
衛生面には十分気を配る必要がありますので、開業前には一通り目を通しておきましょう。
自宅でまつエクサロンを開業するのに必要な資格・届出
自宅でまつエクサロンを開業するにあたって必要な資格は美容師資格です。
アイリストとしてまつエクやまつ毛パーマを施術するためには、国家資格を取得しなけれなりません。
万が一、資格を取得せずに開業した場合、業務停止や30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、自宅でまつエクサロンを開業する場合、保健所への届出が必要です。
管轄の保健所に「美容所開設届」と必要な書類を提出し、その後に保健所の職員が開業前のサロンを訪ねてきます。
実施検査を行い、美容所登録の基準を満たしているかを審査するためです。
この審査を通過すると「美容所確認済証」が発行され、証明書が手元に届いた時点でサロンを開業することができます。
審査通過までの日数を考えると、書類は遅くとも開業予定日の1~2週間前には提出しましょう。
実施検査でチェックされるポイントは自治体によって異なる場合があります。
代表的なポイントとして以下のものがありますので、開業の際の参考にしてください。
- 施術スペースの床面積が、13平米以上あるか
- 床や壁は、水の染み込まない材質か
- 水道設備が整っているか
- 施術を行う部屋の照明が整っているか
- 汚物箱と毛髪箱がそれぞれふた付きであるか
- 消毒設備が設けられているか
自宅でエステサロンを開業するのに必要な資格・届出
自宅でエステサロンを開業するにあたって、リラクゼーションを目的としたトリートメントや痩身エステの場合、必要な資格や届出はありません。
しかし、あん摩マッサージや鍼灸などの治療を目的とした施術を行う場合は、国家資格と保健所への届け出が必要になります。
資格がなくてもサロンは開業できますが、大手サロンで勤務し顧客がついている場合をのぞいて、集客は困難を極めるでしょう。
お客さまは自分のからだを託すにあたって、技術や知識がしっかりと身についているセラピストかを気にします。
集客の面でも、スクールや大手サロンで知識や技術を身につけてから開業することをおすすめします。
一般的にはエステサロンを開業するにあたって、保健所に申請をする必要はありません。
ただし、ブライダルエステなどで顔の産毛剃りを行う場合は届出が必要になります。
首から上を施術するフェイシャルメニューを行う場合も保健所への申請が必要になる場合があるので、サロンの内装工事を始める前に、保健所で予定しているメニューの相談をすることをおすすめします。
エステサロンではお客様のからだに直接触れる施術がメインになります。
そのため、保健所への登録が必要なくても、開業に向けて法律や規約を学んでおくことが大切です。
「薬機法」と「衛生法規」は必ず目を通しておきましょう。誤った認識でサロンを運営することは、トラブルのもとになりかねません。
お客様の信用を失うだけでなく、サロンの業務停止や罰金が科せられるおそれもあります。
自宅でアロマサロンを開業するのに必要な資格・届出
自宅でアロマサロンを開業するにあたって必要な資格や届出はありません。
アロマサロンでは、アロマオイルを使用しての施術だけでなく、精油やアロマテラピー関連の商品を販売できます。
他にもアロマの教室としての開業も行えます。サービスの種類が多岐にわたるので、精油に関する法律を正しく理解しておく必要があります。
薬機法
薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
この法律では許可なく、医薬品・医薬部外品・化粧品を製造したり販売したりすることを禁止しています。
同じように、医薬品・医薬部外品・化粧品と誤解されるような表示・広告・説明をすることも禁止されています。
医師法・獣医師法
医師の免許なく、治療や医療行為を行ってはいけないという法律です。
精油を治療目的に使用することは罰則の対象になります。動物に対してのアロマテラピーもおなじです
トリミングの中でアロマテラピーを行うのは問題ありませんが、診断や治療を行うと獣医師法違反に問われます
あはき法
あはき法とは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律です。
その中に法律上、マッサージ業務ができるのは、国家試験に合格して免許を持つあん摩マッサージ指圧師だけというものがあります。
つまり、アロマサロンにおいて「マッサージ」という表現を使用することは厳密にはあはき法に違反することになります。
アロマオイルを使用して行う施術に関しては「アロマトリートメント」と称する必要があります。
自宅で脱毛サロンを開業するのに必要な資格・届出
自宅で脱毛サロンを開業するにあたって、施術内容によっては医師・看護師の資格が必要になります。
厚生労働省の見解を要約すると、『レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する』脱毛を行うことが医療行為に該当します。
医療行為とみなされない脱毛は、光脱毛・ワックス脱毛・ブラジリアンワックスなどがあります。
資格がなくてもできる光脱毛は機械で行います。
レーザー脱毛器に比べて肌への負担が少ないのが特徴ですが、適切な施術を行わなかった場合、お客様の肌を傷つけてしまう恐れがあります。
万が一、お客様とのトラブルが起きてしまった場合、保険や医療機関を紹介してくれる脱毛器メーカーもあります。
脱毛器を購入する際に、確認しておくと安心です。
脱毛の施術は、衛生管理をしっかりとしなければ、感染症など肌トラブルを招く恐れがあります。
お客様に安心して施術を受けていただくためには知識や技術が必要不可欠です。
脱毛サロンで経験を積む、スクールで学んで知識や技術を取得するなど自信をもってお客様に脱毛を提供できるようにしましょう。
最後に、医療行為に該当しない脱毛を行うサロンは保健所に提出する届出はとくにありません。
自宅で料理教室を開業するのに必要な資格・届出
自宅で料理教室を開業するにあたって必要な資格や届出はありません。
ただし、同じ内容を教わる場合、「栄養士が教える家庭料理」や「フードコーディネーターが教えるテーブルセッティング」のように資格がついていた方が、お客様の目には魅力的に映ります。
集客を考えた場合、食に関する資格を取得しておくことは、お客様に安心感を与える材料の一つになるでしょう。
自宅で料理を教えて試食するにあたっては、保健所に提出する必要な書類はありません。
よくあるのが、生徒さんが講師のつくった料理やソースを販売してほしいとリクエストしてくるケースです。
いくら少量であっても、たとえ販売をしなくても、料理教室で作ったものを教室の外に持ち出すことは禁止されています。
教室内でつくったものを販売、持ち帰りする場合は、食品衛生責任者証などの届出が必要です。
食品衛生責任者の資格は講習会を受講することで取得できるので、可能性がある場合は資格取得を検討してみましょう。
また、料理教室は一般的に「ホームパーティー」に分類されます。
自宅でのお教室とはいえ、不特定多数の人が集まることを禁止しているマンションや自治会もあるので、必ず事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
おうちサロンを開業する上で、共通して必要になるのが開業届です。
開業届を出すタイミングや条件は事前に確認しておく必要があります。その他の届出やサロンを開業するために必要な資格は業種によって異なります。
必ずしも資格が必要でない場合でも、お客様の信頼を高めるためには知識や技術を取得したことを証明する資格があると集客にもつながりやすくなります。
また、届出が必要のない職種においても、法律や規約に違反すると業務停止や罰金が科せられるおそれがあります。
必ず関連する法律や規約には目を通しトラブルを回避しましょう。
今回した業種以外にもおうちサロンの開業はできます。どんな業種があるのか知りたい方は「おうちサロンの種類や必要な資格!開業のメリット・デメリットも解説」も読んでみてくださいね。
おうちサロン|自宅サロンの種類や必要な資格!開業のメリット・デメリットも解説
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