おうちサロンの運営は意外とトラブルが起こり得ます。
時には損害賠償を被る事故に発展することもありますし、損害賠償の責任を果たすことで経営が傾いてしまうことも十分あり得ます。
そのため、お客様を守るだけでなく、オーナー自身を守るためにも保険への加入がおすすめです。
この記事では、自宅サロンに必要な保険やおすすめの保険を紹介します。
おうちサロン開業後に起こりやすいトラブル
自宅サロンを開業したばかりだと、どんなトラブルが予想されるか分からない方も多いと思います。
まずは、おうちサロンで起こりやすいトラブルを紹介します。
施術が原因でお客様にケガをさせてしまう
施術中に誤ってお客様にケガをさせてしまった場合、通院や治療費の支払いが必要になることがあります。
- エステで使用したオイルでお客様の肌がかぶれてしまった
- まつげパーマの施術中、薬液がお客様の目に入ってしまった
- フットケアで踵の角質を削りすぎてしまった
サロン室内でお客様がケガなどの被害にあう
サロン室内の不備でお客様にケガをさせてしまった場合、通院や治療費の支払いが必要になることがあります。
また、接客中に誤ってお客様の洋服を汚してしまった場合、クリーニングや弁償費用が必要になります。
- お客様がコードにつまずいて転倒し、捻挫をしてしまった
- 備品がお客様の頭上に落下し、打撲をさせてしまった
- お客様の洋服に飲み物をこぼしてしまい、クリーニングが必要になった
お客様からお預かりした品を紛失、汚してしまう
お客様からお預かりした持ち物や洋服を紛失、または損傷してしまった場合、弁償やクリーニング費用が必要になることがあります。
- お客様からお預かりした手回り品を紛失してしまった
- お客様からお預かりしたコートに汚れをつけてしまった
サロンで販売した商品が原因でお客様の体が傷ついてしまう
サロンで販売している商品を購入し、肌や体に異常をきたした場合、通院や治療費の支払いが必要になることがあります。
- 販売している化粧品を使用したお客様の皮膚が炎症をおこしてしまった
- 購入した商品の箱を開封する際、お客様が手を切ってしまい治療が必要になった
おうちサロン開業に関する保険の種類
おうちサロンで発生するトラブルは、業種によって異なります。
法律で加入を義務付けられているものはありませんが、おうちサロンを開業するにあたって必要とされる保険もあります。
おうちサロン開業にあたって加入が必要な保険
おうちサロンを開業する上で、以下の3つの保険は加入しておくと安心です。
賠償責任保険
賠償保険はお客様を守ります。
お客様がサロン内でケガをしてしまった場合や施術ミスが原因で通院が必要になった場合などに発生する損害賠償を補償することができます。
火災保険
火災保険はサロンを守ります。
火災が起きてしまったときの損失や損害を補償します。
自宅で加入している火災保険で適用きると考える人が多くいますが、おうちサロンは店舗として扱われるので事業用の火災保険への加入が必要です。
社会保険
社会保険は働く人を守ります。従業員を1人でも雇う場合、労災保険と雇用保険への加入は必須です。
おうちサロンを開業するにあたって加入しておくと安心な保険
上記の保険以外に以下の保険への加入も検討しておくと良いでしょう。
生産物賠償責任保険
生産物賠償責任保険は、サロンで販売した商品を使用して、お客様の肌や体が傷ついたり、ケガをした場合の損害賠償責任を償うことができます。
まつエクサロンや美容院、エステサロンなど化粧品や薬剤を扱う場合は、トラブル発生のリスクが高くなるので検討することをおすすめします。
受託者賠償責任保険
受託者賠償責任保険は、サロンでお預かりしたお客様の持ち物や洋服を汚す、傷つける、紛失してしまった際の損害賠償責任を償います。
荷物の紛失や洋服の損傷はサロンへの不信感につながりますし、賠償金が高額になるケースも想定しておく必要があります。
事業活動総合保険
事業活動総合保険は、サロンが火災や自然災害で被災し、休業しなければならなくなった場合に適用されます。
サロン休業期間の損失が補償されるので、長期にわたる修復が必要になった場合に役立ちます。
機械脱毛補償保険
機械での脱毛施術でお客様の肌や体に異常が発症した場合の損害賠償責任を償います。
医療脱毛など補償対象外の脱毛もあるので、事前に詳細を確認しましょう。
サロンで機械を使った脱毛を予定している場合は検討をおすすめします。
おうちサロンを開業するなら「サロン保険」がおすすめ
サロン保険とは、サロン事業者に向けた保険サービスの名称です。
おうちサロンを運営していく上で賠償責任が発生してしまった場合、サロン保険に加入していれば保険金で償える可能性が高くなります。
補償内容は多岐にわたり、セラピストが個人で加入するものもあります。
開業にあたって、どの保険に入ったらいいかわからない場合もあるでしょう。
そういう時は、サロン保険から検討するのがおすすめです。
サロン保険で補償できる具体例を参考に、ご自身のサロンで起こり得るトラブルを想定してみてください。
– サロン保険で補償できる具体例 –
- 施術による事故
- サロン室内の事故
- サロンで販売する商品による事故
- お客様からの預かり品に関する事故い
- 火災や自然災害によるサロンの損失
- 火災や自然災害による休業におけるサロンの損失
- 名誉毀損またはプライバシーの侵害の訴訟により被る損害
- 悪質なクレーム対処にかかる弁護士費用
※保険によって補償内容は異なります。必ず詳細をご確認の上ご加入ください。
サロン保険は、施術による事故補償とサロン室内の事故補償がセットになっている施設（所有者）賠償責任補償が補償内容の中心になっています。
他にも補償が必要だと想定される場合は、該当する補償内容を追加しながら保険の内容を決めていきます。
サロン保険は、あらかじめ必要な補償がパッケージされているので悩む時間や手間が省けます。
火災保険までカバーしているものもあるので、おうちサロンにとって必要な補償を探しやすくなっている魅力的な存在といえるでしょう。
おすすめのサロン保険
サロン保険には、加入条件が用意されていることもあります。
補償内容が同じでも保険料が大きく異なる場合もあります。
以下のサロン保険は代表的なものになるので、検討したい方はまずはこちらの保険をチェックしてみてくださいね。
手技セラピスト協会
対象：手技セラピスト協会会員
保険料：14,000円（年会費として）
引受保険会社：Chubb損害保険株式会社
補償内容
- 施術業務によるトラブル補償（手技セラピスト業務特約）
- サロン内でのお客様のケガを補償（施設治療費用補償特約）
- お客様から預かった品のトラブル補償（受諾者特別約款）
- 人格や人権侵害のトラブル補償（人格権侵害補償特約）
- サロンで販売した品物を原因としトラブル補償（生産物特別約款）
- 施設や設備によるトラブル補償（施設所有者特別約款・漏水 補償特約）
手技セラピスト協会会員になることが加入条件です。
年会費を支払うことで損害保険が自動付帯されます。補償の幅が広いのも特徴です。
手技セラピストを対象としているため、機械や器具を使用したエステや脱毛は対象外になります。
手技セラピスト協会についてはこちら
エステティシャン賠償責任保険
対象：セラピスト個人。加入条件あり
保険料：18,000円/年
引受保険会社：JHA保険サービス
補償内容
サロンで提供するサービス業務によってお客様にケガをさせてしまった場合の補償
業務内容は、フォトエステ、脱毛、ボディエステ、フェイシャルエステサービスなどが対象
※医療脱毛など、医療行為は除外
一般社団法人 日本治療協会内の保険です。エステティシャンを専門とした保険というのが大きな特徴です。
サロン室内での事故や預かり品のトラブルなどのトラブルを補償するためには、別途エステサロン賠償責任保険（24,000円/年）への加入が必要になります。
エステティシャン賠償責任保険についてはこちら
サロンさま向け賠償責任保険
対象：保険お申込み時にHOT PEPPER Beautyに掲載していて、サロン管理システムSALON BOARDを利用しているサロン
保険料：2,970円/月～（保険期間・プランによって異なる）
引受保険会社：あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
補償内容
- 施設事故補償（店舗で発生したお客様のケガなど）
- 施術中事故補償（施術により発生した損害賠償責任）
- 預かりもの補償（お客様の持ち物の破損など）
- 弁護士相談費用（事故発生時の弁護士への相談費用など）
HOT PEPPER Beautyで美容業界にも精通している株式会社リクルートが扱うサロン保険です。
美容室をはじめ、ネイルサロン、まつエクサロン、リラクゼーションサロン、エステサロンなどが対象となっています。
申し込みの時点でHOT PEPPER Beautyに掲載している必要があります。
同じく株式会社リクルートが運営するサロン管理システムSALON BOARDのログインIDを所有していることも加入条件に含まれます。
サロンさま向け賠償責任保険はこちら
サロン店舗賠償責任保険
対象：ビューティガレージ会員
保険料：要見積もり
引受保険会社：損害保険ジャパン株式会社
補償内容
- 施術業務によるトラブル補償（施術事故補償）
- サロンの管理ミスによって発生したトラブル補償（施設危険賠償事故補償）
- サロンで販売した品物を原因としトラブル補償（生産物危険補償）
- お客様から預かった品のトラブル補償（受託物危険）
- 人格や人権侵害のトラブル補償（人格権侵害）
- サロン隣接の道路上での事故を補償（第三者医療費用補償）
- 借用している建物オーナーに対する賠償責任を補償（受託不動産補償）
7種の賠償責任補償がセットになっている手厚さが特徴の保険です。
希望すれば、火災補償、休業補償なども追加できます。
機械脱毛施術によるトラブルを補償する機械脱毛補償が用意されていることも見逃せないポイントです。
ビューティガレージ会員とは、株式会社ビューティガレージが運営するプロ向け美容商材卸通販サイト利用会員の事です。
サロン店舗賠償責任保険はこちら
まとめ
おうちサロンを開業するにあたって保険に加入することは、お客様のためだけでなく自分のためにもなります。
施術中のトラブルだけでなく、サロン室内で発生する事故など多数のトラブルを想定した補償が用意されているサロン保険は強い味方です。
保険の補償内容や保険料は保険会社によって異なります。
まずは、ご自分のサロンで起こり得るトラブルを想定し、それをカバーできる補償内容の保険を選ぶようにしましょう。
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