比較的気軽に始められて人気のビジネスである「おうちサロン」ですが、ここ最近「副業」として始める人が増えてきています。
そんな自宅でのサロン開業について、なぜ副業として人気があるのか、開業届や確定申告はどうしたらいのか、いくらくらいの報酬になるのか?について解説します。
副業で自宅サロンを始めることは可能?
自宅を店舗として利用できることから、比較的ハードルが低く始められるビジネスとして有名なおうちサロンですが、副業として始めることは十分可能です。
その理由として、初期費用を低く抑えることができるため、赤字になりにくいという点が挙げられます。
自宅を店舗として活用するためテナントを借りる必要がなく、出店形式のサロンよりも費用を大幅に抑えられるのです。
業種にもよりますが、10万円前後の初期費用で始めることができるサロンの形式もあります。
そのため、月に数万円の売り上げがあれば、初期費用分を数ヶ月で回収可能です。
平日は働いていて土曜日だけしか営業できない、平日の夜しか時間を空けることができない、といった場合もあるでしょう。
しかし、月に数万円程度の売り上げであればそこまで難しくないため、おうちサロンは副業としてとてもおすすめできます。
副業でおうちサロンを始めたら開業届は必要?
おうちサロンを始めるにあたって副業ではなく本業としてコミットする場合、基本的に開業届の提出は必須です。
本業として始める場合は毎月の継続的な収入を見込むものであり、年間の売上げも数十万円〜百万円以上を目標とする場合が多いでしょう。
そういう場合には確定申告が必要となり、その際に節税効果の高い青色確定申告制度を活用するためにも開業届の提出は必須と言えます。
一方で副業として始める場合はどうでしょうか。
毎月継続的に行う予定がない、短期的に試しに初めてみたいという場合でしたら開業届の提出は必須ではありません。
売上げがある以上、開業届は必要であるという認識の方が多いかもしれませんが、提出しないからといって罰せられることはありません。
しかし、確定申告を行う上で節税効果の高い青色確定申告制度を活用するためには開業届が必要となります。
つまり、開業届と確定申告はセットのようなものであり、確定申告を行う必要があるほどの収入が見込まれる場合は開業届の提出も必須です。
開業届の提出を迷った場合は、必ず確定申告もセットで考えるようにしましょう。
開業届については「自宅サロンに開業届は必要?提出方法やメリット・デメリット」で分かりやすく解説しています。
おうちサロン|自宅サロンの内装のコツとアイデア!生活感をなくすためにすること副業でおうちサロンを始めたら確定申告は必要?
副業としておうちサロンを始める場合に確定申告が必要かどうかは、売上げの規模によって変わってきます。
厳密には確定申告を行う必要があるかどうかを判別するための指標は売上げではなく、売り上げから必要経費を差し引いた所得で計算されます。
副業として本業とは別におうちサロンを始める方のように、おうちサロン以外に給与所得がある方の確定申告が必要となるラインは「年間の所得が20万円」となっています。
つまり毎月1万円ぐらいのお小遣い稼ぎ程度の売り上げであれば確定申告は不要といえます。
また、単純な売上げではなく「所得」で判断されるという点にも注意が必要です。
経費が一切かからないということは普通はなく、自宅の家賃の一部や光熱費の一部、設備購入費などは経費として計上することができます。
そのため、売り上げが50万円を超える場合であったとしても、経費を差し引いた年間の所得が20万円に収まるのであれば、確定申告は必要ありません。
副業としてどれくらいの時間をおうちサロンに割くことができるかによって売上げの額は変わってきますが、月に1,2回の営業程度であれば年間の所得が20万円を超えることはあまりないでしょう。
逆に週に2回、月に8回程度の営業であれば売上げもその分高くなり、年間の所得が20万円を超えることも多くなります。
副業としておうちサロンを始める場合に確定申告が必要になるかどうか迷った場合は
「年間の売上げはどの程度見込めるのか」
「開業するために必要な資金夜景日はどれくらいか」
を計算して、年間の所得が20万円を超えるかどうかで判断するようにしましょう。
なお、年間の所得が20万円を超えているにもかかわらず確定申告を行わない場合は「脱税」として追加徴税を徴収されることがあるため注意が必要です。
おうちサロンを副業で始めたら報酬はどのくらい?
おうちサロンを副業として始める場合、どれくらいの報酬が見込めるかは以下の指標から算出できます。
- 1日の顧客数
- 顧客単価
- 月間稼働日数
サロンの形態によって顧客単価は変わってきますが、安い場合で3,000円、高い場合で1万円とかなり幅が広いです。
その顧客単価と1日あたりの顧客数、月間での稼働日数を掛け合わせることである程度の報酬を計算することができます。
マッサージのようなリラクゼーション系の顧客単価は比較的低くなりやすい一方で、痩身エステや美容エステ系などの業態の顧客単価は高くなりやすい傾向にあります。
また、収入として利益を計算する際には売上げから必要経費を引いて算出する必要があります。
必要経費は業態やその人の状況によって変わってきますので、ご自身の場合で計算してみてください。
以下で3パターンの収入イメージを計算していきます。
1日の顧客数が1人で稼働日数が3日の場合の報酬イメージ
1日に1人だけの顧客数で稼働日数は3日、顧客単価が3,000円の場合と1万円の場合で計算してみます。
- 1人×3,000円×3日=9,000円
- 1人×1万円×3日=3万円
このように、稼働日数が少なく顧客単価も低い場合では月間の売上げはかなり低くなってしまいます。
初期投資がほぼない場合であれば、お小遣い稼ぎとしてはよいかもしれません。
報酬がもっと欲しい場合は、顧客単価を上げるか稼働日数を増やして報酬を上げましょう。
1日の顧客数は2人程度で稼働日数は5日の場合の報酬イメージ
1日に2人の顧客数で稼働日数は5日、顧客単価が3,000円の場合と1万円の場合で計算してみます。
- 2人×3,000円×5日=3万円
- 2人×1万円×5日=10万円
1日に2人の顧客を安定して獲得するのは難しいですが、この規模になってくると副業としては十分な額の収入になりますね。
また、年間で計算すると顧客単価が低い場合であっても売り上げが40万円弱になるため、確定申告が必須となってきます。
1日の顧客数が3人で稼働日数が8日の場合の報酬イメージ
土日など時間がある時にガッツリと稼働し1日に3人の顧客を取り、稼働も増やし月間で8日働く場合の報酬も計算してみます。
- 3人×3,000円×8日=72,000円
- 3人×1万円×8日=24万円
顧客単価が低い場合であったとしても7万円を超えてくるというのは魅力的ですね。
顧客単価が高ければ本業収入と同程度の収入を見込みことも可能なことがわかります。
流石に年間を通して月間稼働日数8日で顧客を1日3人取り続けることは難しいかもしれ前ん。
しかし、短期的に3ヶ月間集中してやるといった場合でも十分なボーナスぐらいの収入にはなりそうです。
また、この場合も確定申告が必須となってきます。
納めなくてはいけない税金も多くなるため、納税に備えた貯金もしっかりとしておくようにしましょう。
副業でおうちサロンを始める場合のポイント
副業でおうちサロンを始めるためのハードルはわりと低く、報酬もそれなりにあることが分かったかと思います。
最後におうちサロンを副業として始める上でのポイントを3つご紹介します。
- 初期費用を抑える
- SNSを活用して集客をする
- 本業に支障が出ないようにする
初期費用を抑える
副業でやる以上、限られた時間のなかで行う必要があります。
そのため、最初は集客もうまくいかずあまり売上げが上がらない期間が続くことになるかもしれません。
また、思うように売上げが上がらないために、おうちサロンの運営を断念する方も一定数います。
そのようななかで、初期費用として大規模な内装の改修や高額な機器の購入などをしてしまうと赤字を取り戻すことが難しくなってしまいます。
また、初期投資に多額の費用を注ぎ込んでしまうと「なんとしてでも取り戻さなくては」と躍起になってしまい無理をして体を壊してしまうことにもなりかねません。
精神的にも追い込まれてしまうことになるため、副業で始めるのであれば初期費用は必要最低限に留めるようにしましょう。
業種ごとの開業資金については「自宅サロンに必要な開業資金はいくら?業種別・場所別に紹介!」で紹介しています。
おうちサロン|自宅サロンに必要な開業資金はいくら?業種別・場所別に紹介!「自宅サロンの開業資金に使える助成金&補助金まとめ」を読めば、あなたが利用できる助成金や補助金もあるかもしれません。
おうちサロン|自宅サロンの開業資金に使える助成金&補助金まとめSNSを活用して集客をする
初期費用を抑えて集客をしたい場合には、SNSを活用して集客を行うことが効果的です。
本格的におうちサロンを運営しようと思うとホームページやチラシなどの集客ツールが欠かせませんが、安いとはいえない費用が発生してしまいます。
その点、TwitterやインスタグラムなどのSNSであればアカウントは無料で開設でき、上手に運用すれば集客に繋げることも可能です。
ターゲットを絞ってその人たちに刺さるようにSNSを運用すれば、ホームページやチラシなどよりも高い集客効果を実現することも不可能ではありません。
費用をかけなくても集客できるツールになるため、必ず活用するようにしましょう。
本業に支障が出ないようにする
また、副業である以上本業に支障が出ては元も子もありません。
本来本業の休養日である土日や夜の時間を割いて副業をすることになるため、今までよりも休む時間が必然的に減ってしまいます。
そのため体を壊してしまったり、本業のパフォーマンスが低下してしまったりするケースもあります。
最初のうちは本業への負担を減らすためにも、稼働日数は少なめに設定し、慣れてきたら少しずつ稼働時間を増やしていきましょう。
あくまで「副業」として運営するという意識を忘れないように常に気をつける必要があります。
まとめ
おうちサロンの副業について、開業届や確定申告の必要性、開業する時のポイントなどを紹介しました。
はじめて開業する方は勇気がいるかもしれませんが、自宅でのサロン開業は初期費用を抑えて始めることもできます。
もし少しでも「やってみたいなぁ」と考えているなら、人生一度きりなのでぜひチャレンジしてみてくださいね!
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