エステ開業に必要なものは何?物件・設備・届け出・費用を網羅!

この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)

株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。

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「自分のエステサロンを開きたい」そんな夢をお持ちのあなたへ。この記事では、特に自宅でのエステサロン開業を具体的に考えている方に向けて、開業に必要な知識をステップごとに詳しく解説します。資格や届け出といった法的な準備から、物件選び、必要な設備、資金計画、そして成功へのポイントまで、この記事を読めば開業までの道のりが明確になるはずです。一つひとつのステップを丁寧に確認し、夢の実現に向けて着実に準備を進めましょう。

目次

Step1|エステサロン開業に必要な資格・届け出

エステサロンを開業するためには、まず法的な手続きと専門知識の証明が求められます。これらを怠ると、後々運営上のトラブルに繋がる可能性も否定できません。安心してサロン運営をスタートできるよう、どのような資格や届け出が必要になるのか、ここでしっかりと把握しておきましょう。

開業届の提出と個人事業主登録の流れ

エステサロンを開業するにあたり、税務署への開業届の提出と個人事業主としての登録は、必ず行わなければならない手続きです。これは、事業を開始したことを国に正式に申告し、納税の義務を果たすために不可欠だからです。手続きの流れは以下の通りです。

  1. 管轄の税務署を確認する
    事業所の所在地(自宅サロンの場合は自宅の住所)を管轄する税務署を調べます。
  2. 「個人事業の開業・廃業等届出書」を入手・記入する
    国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署で直接入手し、必要事項を記入します。
  3. 必要に応じて「所得税の青色申告承認申請書」も準備する
    節税効果の高い青色申告を希望する場合は、この申請書も併せて提出すると良いでしょう。
  4. 開業から1ヶ月以内に税務署へ提出する
    郵送または直接持参して提出します。

これらの手続きをきちんと済ませることで、社会的な信用も得られ、スムーズな事業運営の第一歩を踏み出せるのです。

保健所への届け出は必要?

提供するエステサービスの内容によっては、保健所への事前の届け出が義務付けられている場合があります。これは、公衆衛生の維持と利用者の安全確保を目的として、法律で定められているためです。例えば、まつ毛エクステンションや一部のアートメイク(医師免許が必要な場合を除く、美容師免許で可能な範囲の施術)、美容ライト脱毛など、身体への侵襲性が伴う、あるいは高度な衛生管理が求められる施術を行うケースでは、開設前に保健所の検査を受け、構造設備などが基準を満たしているか確認してもらう必要があります。一般的なフェイシャルエステやリラクゼーション目的のボディトリートメントのみを提供する場合は不要なことが多いですが、判断に迷う場合は必ず事前に管轄の保健所に問い合わせ、ご自身の提供予定のサービスが届け出対象か否かを事前に確認しておくことが、法令遵守の観点からも非常に重要です。

民間資格とその取得方法について

エステティシャンとしてお客様からの信頼を得る上で、民間資格の取得は大変有効な手段となります。現在の日本において、エステティシャンには医師や美容師のような国家資格は存在しませんが、民間資格は一定の知識や技術レベルを客観的に証明するものとして機能するからです。

代表的な民間資格の例

  • 日本エステティック協会認定エステティシャン(AJESTHE認定エステティシャン)
  • AEA認定エステティシャン(日本エステティック業協会)
  • CIDESCOインターナショナル・エステティシャン

取得方法

  • 各協会が認定するエステティックスクールに通学する
  • 通信講座を利用して学習する
  • 実務経験を積んで認定試験を受験する(資格により条件あり)

自宅サロンであっても、資格を提示することでお客様は安心して施術を任せられるでしょう。自身の技術力向上はもちろん、お客様へ確かな安心感を提供するためにも、積極的に資格取得を検討することをおすすめします。

Step2|開業スタイル別に見る物件の選び方

エステサロンの開業スタイルは一つではありません。自宅の一部を使うのか、マンションの一室を借りるのか、あるいはテナントを構えるのか。それぞれのスタイルで物件選びのポイントや注意点が異なります。ご自身の目指すサロンの形や予算に合わせて、最適な物件を選ぶことが成功への第一歩となるでしょう。

自宅で開業するメリット・デメリット

自宅でのエステサロン開業は、初期投資を大幅に抑えられる一方で、プライベート空間との線引きが難しいという側面も持ち合わせています。メリットとデメリットをしっかり比較検討しましょう。

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メリットデメリット
初期費用を大幅に抑えられる(家賃・保証金不要等)プライベートとの両立、生活感が出やすい
通勤時間が不要で、時間を有効活用できる家族の理解と協力が不可欠
家賃や光熱費の一部を経費として計上できる集客の難易度が上がる(看板が出しにくい、住所公開の懸念)
自分のペースで仕事を進めやすいセキュリティ面の配慮が必要

これらのメリットを最大限に活かし、デメリットを克服する工夫を凝らすことが、自宅サロン成功のポイントです。

賃貸マンションを利用する際の注意点

賃貸マンションの一室を利用してエステサロンを開業する場合、契約内容の確認が最も重要なポイントとなります。多くの賃貸マンションは居住専用として貸し出されており、事業目的での利用が規約で禁止または制限されているケースが少なくないからです。まずは賃貸借契約書を隅々まで確認し、「事業利用可」「サロン営業可」といった記載があるか、あるいは禁止事項に該当しないかを確かめましょう。不明な場合は、必ず事前に大家さんや管理会社に相談し、明確な許可を得ることが不可欠です。無断で営業を開始してしまうと、契約違反として退去を求められるなど、深刻なトラブルに発展する恐れがあります。お客様の出入りや看板設置の可否についても、事前に確認しておくべきでしょう。

テナント・路面店舗の選び方とコスト

テナントビルの一区画や路面店でのエステサロン開業は、集客面での有利性が期待できる反面、高額な初期費用と継続的な運営コストが発生する点を覚悟しなければなりません。人通りが多い駅周辺や商業エリアの物件は、自然と人目に触れる機会が多いため集客しやすいですが、その分、賃料や保証金が高額になる傾向があります。物件取得費(保証金、礼金、仲介手数料など)に加え、内装工事費、看板設置費なども考慮に入れると、初期費用だけで数百万円以上かかることも珍しくありません。立地選びでは、ターゲットとする顧客層が多く訪れるエリアか、競合店の状況なども十分に調査する必要があります。資金計画と照らし合わせ、無理のない範囲で最適な物件を選ぶ慎重さが求められます。

出張エステで開業するケースとは?

出張エステは、店舗を持たずに活動できるため、非常に低リスクでスタートできる開業スタイルの一つです。お客様の自宅や指定された場所に直接赴いて施術を行うため、物件取得費用や内装費、高額な家賃といった固定費が一切かからないのが最大のメリットと言えるでしょう。

持ち物例

  • 折りたたみ式の施術ベッド
  • タオル、シーツ類
  • 施術用化粧品、オイル
  • 小型の音響機器(BGM用)
  • 消毒用品

施術に必要な上記のような備品を持ち運ぶ準備は必要ですが、自宅サロンよりもさらに手軽に事業を始められます。特に、育児中の方や、まずはスモールスタートで経験を積みたいと考えている方にとっては魅力的な選択肢です。ただし、移動時間や交通費の管理、お客様のプライベートな空間にお邪魔することへの配慮、そして集客方法の確立といった独自の課題も存在します。

Step3|エステサロンに必要な設備と備品

お客様に心からリラックスしていただき、満足度の高い施術を提供するためには、適切な設備と備品の準備が欠かせません。施術の質を左右する機材から、空間を彩るアイテムまで、計画的に揃えることで、スムーズなサロン運営とお客様の信頼獲得に繋がるでしょう。

施術用ベッドやマシンなどの必須機材

お客様が施術を受ける際に直接身体を預ける施術用ベッドと、提供するサービスに応じた各種マシンは、エステサロン運営の根幹を成す最も重要な設備です。これらは、お客様の快適性はもちろん、施術の効果やサロンの専門性を左右する要素となるからです。

主な必須機材例

  • 施術用ベッド
    フェイシャル用、ボディ用、電動昇降式など、提供メニューに合わせて選択。自宅サロンでは折りたたみ式も便利です。
  • スチーマー
    フェイシャル施術時の毛穴ケアに。
  • 拡大鏡(ルーペ)
    細かい部分の施術や肌状態の確認に。
  • ホットキャビ(タオルウォーマー)
    温かいタオルを提供するために。
  • その他美容機器
    痩身や美顔など特定メニューを提供する場合は、超音波美顔器、イオン導入器、EMS機器などを検討。

新品だけでなく中古品やリース、レンタルといった選択肢も視野に入れ、予算と照らし合わせながら賢く揃えることが大切になります。

タオル・リネン・アロマなどの消耗品類

タオルやシーツ、ガウンといったリネン類、そして空間を演出するアロマオイルなどの消耗品は、お客様の満足度やサロンの印象を大きく左右する大切なアイテムです。これらは、お客様が直接肌に触れたり、香りで感じたりするものであり、サロンの清潔感やこだわりを伝える重要な役割を担っているからです。

主な消耗品リスト

  • フェイスタオル、バスタオル(吸水性、肌触りの良いもの)
  • 施術用シーツ、ベッドカバー
  • お客様用ガウン、スリッパ
  • 施術用化粧品(クレンジング、マッサージオイル、パック、ローションなど)
  • コットン、ティッシュペーパー、綿棒
  • アロマオイル、ディフューザー
  • ハーブティー、お茶菓子(お客様へのサービスとして提供する場合)
  • 消毒用アルコール、ペーパータオルなどの衛生用品

常に清潔な状態を保つことはもちろん、定期的な補充が必要となるため、ランニングコストとして予算に組み込み、在庫管理をしっかり行うことが求められます。

受付・待合・収納などの店舗設備

お客様を最初にお迎えする受付スペースや、施術前後にリラックスして過ごしていただく待合エリア、そしてタオルや備品類を整理整頓するための収納設備は、快適で効率的なサロン運営に不可欠な要素です。これらは、サロンの第一印象を決定づけるだけでなく、お客様が安心して過ごせる空間を提供し、スタッフがスムーズに業務を行うための基盤となるからです。

主な店舗設備リスト

  • 受付カウンター、椅子
  • お客様用ソファ、ローテーブル(待合スペース用)
  • カルテや顧客情報を管理するための棚やファイルボックス
  • タオルや化粧品、その他の備品を収納するキャビネットやシェルフ
  • ハンガーラック、傘立て
  • BGM用音響設備(スピーカーなど)
  • レジ、キャッシュトレイ(会計用)

自宅サロンの場合でも、生活空間と明確に区別された専用スペースを設け、お客様が心地よく過ごせるような清潔感とリラックスできる雰囲気作りを心がけましょう。

開業時にあると便利な備品

必須ではないものの、開業時に揃えておくことでサロン運営がよりスムーズになり、お客様の満足度向上にも繋がる便利な備品がいくつか存在します。これらは、お客様へのおもてなしの質を高めたり、日々の業務効率を改善したりするのに役立ち、結果としてサロンの評価を高めることに貢献するためです。

あると便利な備品リスト

  • お客様の荷物を入れるための鍵付きロッカーやカゴ
  • 施術前後に身だしなみを確認できるドレッサーや大きめの鏡
  • 予約管理や顧客情報、会計処理を効率的に行うためのパソコンやタブレット端末
  • 領収書や販促物を印刷するためのプリンター
  • 電話機、FAX(必要な場合)
  • お客様へのドリンクサービス用の電気ケトル、カップ、ソーサー
  • 空間を彩る観葉植物やおしゃれな間接照明

予算とスペースを考慮しつつ、サロンのコンセプトやターゲット顧客に合わせて、優先順位をつけて導入を検討すると良いでしょう。

Step4|エステサロン開業にかかる費用と資金計画

エステサロンを開業し、軌道に乗せるためには、初期費用だけでなく、継続的に発生する運転資金も考慮に入れた堅実な資金計画が不可欠です。自己資金でどこまで賄えるのか、不足分をどう調達するのか、利用できる制度はあるのかなど、事前にしっかりと検討することで、安心して開業準備を進めることができるでしょう。

初期費用の内訳(家賃・内装・備品など)

エステサロン開業にかかる初期費用の大部分は、物件取得費、内装工事費、そして施術に必要な設備・備品購入費によって構成されます。これらの費用は、選択する開業スタイルやサロンの規模、立地条件によって大きく変動するため、具体的な計画を立てる上で正確に把握することが資金計画の第一歩となるからです。

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費用項目自宅サロン目安賃貸マンション目安テナント・路面店目安備考
物件取得費ほぼ無し数十万円~数十万円~数百万円保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など。自宅サロンは基本的に不要。
内装工事費数万円~数十万円数十万円~数百万円数百万円~数千万円壁紙、床材、照明、間仕切り、看板設置など。自宅サロンは小規模で済むことが多い。
設備・備品費数十万円~数十万円~数百万円数十万円~数百万円施術ベッド、美容機器、タオル、化粧品、受付家具、PCなど。中古やリースも検討。
広告宣伝費数万円~数万円~数十万円数万円~数十万円HP作成、チラシ、SNS広告、ロゴデザインなど。
その他諸経費数万円~数万円~数十万円数万円~数十万円開業手続き費用、研修費、当面の運転資金(数ヶ月分)など。
合計目安数十万円~百万円~数百万数百万円~数千万あくまで目安。コンセプトや規模により大きく変動します。

まずは必要な項目をリストアップし、それぞれの概算費用を算出することから始めましょう。

月々のランニングコストをシミュレーション

開業後のサロン経営を安定的に継続するためには、毎月発生するランニングコストを事前に正確に把握し、具体的なシミュレーションを行っておくことが極めて重要です。なぜなら、毎月の支出を予測しておくことで、資金ショートのリスクを回避し、適切な施術料金の設定や現実的な集客目標を立てることが可能になるからです。

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費用項目金額目安(月額)備考
家賃0円~数十万円自宅サロンは基本的に0円(持ち家の場合)。テナントの場合は立地や広さによる。
水道光熱費数千円~数万円お客様の利用状況や施術内容、季節によって変動。自宅サロンは事業按分。
消耗品費数千円~数万円化粧品、タオル、リネン、アロマオイル、ペーパー類など。仕入れ量による。
通信費数千円~1万円程度電話代、インターネット接続料、予約システム利用料など。
広告宣伝費数千円~数万円SNS広告運用、チラシ作成・配布、ポータルサイト掲載料など。
リース・ローン返済0円~数万円美容機器などをリースやローンで購入した場合。
その他雑費数千円~数万円交通費、研修費、税理士費用(依頼する場合)、備品修繕費など。
合計目安数万円~数十万円あくまで目安。売上目標と合わせて収支計画を立てることが重要です。

これらの費用項目を詳細にリストアップし、月々の収支計画を具体的に立てることが、健全なサロン運営の基礎となります。

助成金・補助金の活用方法と探し方

エステサロン開業時の資金調達を考える上で、国や地方自治体が設けている助成金や補助金制度は、積極的に活用を検討したい選択肢の一つです。これらの制度の多くは返済不要、あるいは低金利での融資であるため、自己資金の負担を軽減し、開業後の資金繰りを安定させる上で大きなメリットがあるからです。

主な情報収集先

  • 商工会議所・商工会
    地域密着型の相談窓口として情報提供や申請サポートを行っています。
  • 中小企業庁のウェブサイト
    「J-Net21」や「ミラサポplus」などで全国の支援情報を検索できます。
  • 各地方自治体のホームページ
    都道府県や市区町村が独自に設けている創業者向けの制度があります。
  • 日本政策金融公庫
    創業融資と合わせて情報提供を受けられる場合があります。

代表的な制度例(時期や条件により変動あり)

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 創業支援等事業者補助金(自治体による)
  • 各自治体の創業者向け家賃補助や設備投資補助金

申請には事業計画書の提出が求められる場合が多いため、早めに準備を始めることが大切です。

自己資金が少ない場合の資金調達法

開業に必要な資金を全て自己資金で準備するのが難しい場合でも、諦める必要はありません。いくつかの資金調達方法を検討することで、エステサロン開業の夢を実現できる可能性があります。

主な資金調達方法:

  • 日本政策金融公庫の「新規開業資金(新創業融資制度)」
    新たに事業を始める方や事業開始後間もない方を対象とした、比較的利用しやすい国の融資制度です。
  • 地方自治体や金融機関の制度融資
    自治体が利子の一部を負担するなど、創業者にとって有利な条件の融資制度があります。
  • 親族・知人からの借入れ
    金利や返済条件などを明確にし、書面で契約を交わすことがトラブル防止に繋がります。
  • クラウドファンディング
    インターネットを通じて不特定多数の人から少額ずつ資金を集める方法です。共感を呼ぶ事業計画が重要になります。
  • ビジネスローン
    銀行やノンバンクが提供する事業者向けのローンですが、金利が高めな場合があるので慎重な検討が必要です。

いずれの方法を選択するにしても、信頼性の高い事業計画書を作成し、無理のない返済計画をしっかりと立てることが不可欠です。

Step5|エステサロン開業を成功させるポイント

エステサロンを開業し、お客様に愛され、長く継続していくためには、明確なコンセプトに基づいたブランディングと、ターゲット顧客に響く効果的な集客戦略が不可欠です。数多くの競合の中から選ばれる魅力的なサロンを創り上げ、着実にファンを増やしていくための重要なポイントを押さえていきましょう。

ブランディングとコンセプト設計の重要性

エステサロンの成功において、独自の強みを明確にし、それを体現する魅力的なコンセプトを設計することは、極めて重要な要素となります。なぜなら、現代は情報が溢れ、お客様は数多くの選択肢の中から自分に合ったサロンを選び出す時代であり、他店との違いを明確に打ち出し、サロンならではの価値を効果的に伝えなければ、記憶に残り選ばれる存在になることが難しいからです。例えば、「オーガニック素材にこだわった完全個室の癒やしの隠れ家サロン」「医療機関提携の本格肌質改善専門サロン」など、ターゲットとする顧客層や提供したい価値を具体的に言語化したコンセプトを設定します。そして、そのコンセプトをサロン名、ロゴ、内装デザイン、提供メニュー、接客スタイル、情報発信の内容に至るまで一貫して反映させることで、お客様の中に確固たるブランドイメージが築かれていくのです。

差別化できるサービス内容を考える

数あるエステサロンの中からお客様に選ばれ続けるためには、競合との違いを明確に打ち出せる、独自の魅力を持ったサービス内容を考案することが不可欠です。お客様は、単に施術を受けたいだけでなく、「ここでしか体験できない特別な価値」を求めており、それがサロン選びの大きな動機となるためです。

差別化のアイデア例

  • 特定の肌悩みや目的に特化
    例)大人ニキビ専門、毛穴ケア専門、ブライダル専門、マタニティ専門など。
  • 独自の技術や手技
    オーナーセラピストならではのオリジナルトリートメント、地域では珍しい手技の導入。
  • 高品質な商材へのこだわり
    オーガニック認証化粧品のみを使用、特定の高級ブランド化粧品を導入など。
  • 最新美容機器の導入
    効果の高い最新機器をいち早く取り入れ、結果重視の施術を提供。
  • 徹底したカウンセリングとパーソナル提案
    お客様一人ひとりの状態やライフスタイルに合わせたオーダーメイドの施術プランやホームケアアドバイス。
  • 特別な空間演出
    五感を満たすような内装、香り、音楽、おもてなし。

お客様のニーズを深く理解し、ご自身の強みを活かした独自の価値を提供できるサービスを追求しましょう。

開業前から始めたい集客・SNS・PR戦略

エステサロン開業後のスムーズなスタートダッシュを実現するためには、店舗が完成する前から集客活動やSNSを活用したPR戦略に積極的に着手することが非常に重要です。開業と同時に集客を始めても、すぐに予約でいっぱいになるケースは稀であり、事前にサロンの存在を広く認知させ、興味を持ってくれる見込み客を獲得しておくことで、開業当初から安定した集客を見込むことができるようになるからです。

開業前からできる集客・PR活動例

  • サロン専用ウェブサイト・ブログの作成
    コンセプト、メニュー、価格、アクセス、セラピスト紹介などを掲載。
  • SNSアカウントの開設・運用
    • Instagram: 施術事例、サロンの雰囲気、美容情報などをビジュアルで発信。
    • X (旧Twitter): 最新情報、キャンペーン告知、お客様とのコミュニケーション。
    • LINE公式アカウント: 予約受付、クーポン配信、個別相談など。
    • Facebookページ: 詳細なサロン情報、イベント告知。
  • 開業準備の様子の発信
    内装工事の進捗、導入する機器や商材の紹介など、期待感を高める情報を発信。
  • プレオープンイベントの企画・告知
    知人や友人、SNSフォロワーなどを招待し、口コミを広げるきっかけに。
  • 開業記念キャンペーンの企画・告知
    初回割引、限定メニューなどを設定し、新規顧客の来店を促進。
  • 地域の情報媒体へのアプローチ
    地域情報誌、フリーペーパー、地域のオンラインメディアなどへの掲載依頼。
  • オンライン予約システムの導入準備
    お客様がスムーズに予約できる体制を整える。

早期から計画的に情報発信を行い、開業への期待感を高めていくことが成功の鍵です。

まとめ|「必要なものリスト」で抜け漏れチェック

これまでに解説してきたエステサロン開業に必要なステップを振り返り、ご自身の準備状況を最終確認してみましょう。多岐にわたる項目を一つひとつクリアしていく必要があります。以下のリストを参考に、抜け漏れがないかチェックし、万全の体制で夢のサロンオープンを迎えることが、成功への第一歩となるでしょう。

資格・届け出関連

  • 開業届(税務署)
  • 青色申告承認申請書(任意、税務署)
  • 保健所への届け出(提供サービスにより必要か確認)
  • 関連する民間資格の証明書類(任意だが信頼性向上に)

物件関連(自宅サロンの場合も含む)

  • (賃貸の場合)物件契約書(事業利用の可否確認)
  • (自宅の場合)家族の同意、生活空間との明確な区別
  • (自宅の場合)マンション規約の確認(サロン営業の可否)
  • 内装プラン、レイアウト図

設備・備品

  • 施術用ベッド
  • 導入する美容機器(スチーマー、拡大鏡など必須品含む)
  • タオル、シーツ、ガウンなどのリネン類
  • 施術用化粧品、オイルなどの消耗品
  • 受付カウンター、椅子、待合用ソファ
  • カルテ棚、備品収納棚
  • レジ、パソコン、電話機
  • BGM用音響機器
  • 衛生管理用品(消毒液、ペーパータオルなど)
  • その他(ドレッサー、お客様用ロッカー、観葉植物など)

資金関連

  • 初期費用見積もり(物件取得、内装、設備、広告宣伝費など)
  • 月々の運転資金シミュレーション(家賃、光熱費、消耗品費など)
  • 自己資金の確認
  • 資金調達計画(融資、助成金・補助金の検討と申請準備)
  • 事業計画書の作成

集客・運営関連

  • サロンコンセプトの明確化
  • 提供サービスメニューと価格設定
  • サロン名、ロゴデザイン
  • ウェブサイト、SNSアカウントの準備
  • 集客プラン(開業前からのPR戦略含む)
  • 予約システムの選定・導入
  • 会計ソフト・システムの選定
  • 顧客管理方法の決定(カルテなど)
  • 開業日、営業時間の決定

このリストが、あなたの夢の実現に向けた確実な一歩となることを願っています。

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