この記事の監修者

㈱イレブン技術商品部 部長
インストラクター
村上 琴音(ムラカミ コトネ)
株式会社イレブンで商品開発とインストラクターを担当。資格と現場経験を活かし、個人サロンの成長を支援しています。
WINBACK は“即効リフト”を売りにする高周波美容機器ですが、導入形態で損益が大きく変わります。本稿では 「購入」「中古」「リース」「レンタル可否」 の4パターンを、最新相場・税制・補助金まで踏まえて比較。客単価と施術件数からキャッシュフローを逆算し、サロン規模別に最適プランを選べるようガイドします。
WINBACK の新品本体は税込 374 万円、中古は半値以下の例もあり、リースは月額8〜9万円台。レンタルは原則不可なので、実質は3択になります。
導入形態 | 初期費用 | 月額負担※ | 5年総支払 | 向いているサロン |
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新品購入 | 374 万円 | 0 円 | 374 万円 | 高単価メニューで早期回収を狙う本店 |
リース(5年) | 0 円 | 85,800 円 | 約515 万円 | キャッシュを温存したい新店・多店舗 |
中古購入 | 160 万円前後 | 0 円 | 160 万円 | 初期投資を最小化したい個人店 |
※リースはWINBACK 3SE 実例(月額85,800 円)を基準。
新品は一括払いだと支出が一度で終わり、減価償却の節税効果も得られます。対してリース総額は高くなりますが、月額経費化できるうえ保証が長期で付帯し、キャッシュフローは安定。中古は最安ですが保証切れリスクがあるため、メンテ契約や消耗品在庫の確保が必須です。
WINBACK は2025年に BACK3 AX / BACK4 AX を発表。公式価格は公開されていませんが、販売代理店ヒアリングでは 420〜480 万円 が提示レンジ。既存3SE より高機能・AI制御を備え、リース料も1万円前後上振れする傾向です。
新品374 万円には標準ハンドピース3本が含まれますが、フェイシャル特化ハンドピース(約18 万円)や専用ジェル(1施術あたり100 円強)が別途必要です。年間保守は2年保証後に約12 万円/年。これらを加味すると5年間の実質コストは 約440 万円 になります。
正規ディーラーは2〜3%の値引き+講習無償を提示するケースが多いです。決算月(3月・9月)や展示会後の在庫調整タイミングを狙うと5%値引きが狙えます。
専用ジェルは1kg 6,600 円(約60 施術分)。月80 施術なら年間13 万円弱。電極パッド(寿命1年)も合わせ、ランニングは 15 万円 程度です。
美容機器は耐用年数5年。定額法なら毎年74.8 万円を損金算入でき、法人税率30%とすると実質負担は年52 万円相当です。期末の節税対策としても有効です。
中古市場では WINBACK 3 が 160 万円前後、付属品完備品は200 万円超で取引されています。保証が切れている場合が多く、必ず「最終メンテ履歴」「稼働時間ログ」を確認しましょう。
稼働3,000 時間以内なら 180〜220 万円、5,000 時間超は150 万円以下が目安。
国民政策金融公庫の「生活衛生改善資金」は中古機器でも対象。自己資金1割で低利2.4%〜が利用可能です。
WINBACK は公式レンタルサービスがなく、代理店がキャンペーン的に短期貸出を行うのみ。実質的にはリース契約が“レンタル相当”の選択肢となります。
現状、東京・大阪の機器レンタル業者4社のうち2社が月額10万円超で期間3か月〜を提示。だが付帯保証が薄く、部品交換費は全額負担になる点に注意。
客単価1.8 万円・材料費0.1 万円の場合、月6件でレンタル黒字、リースは8件、購入は12件で回収ラインに到達します。
中途解約時は残月額の50〜80%請求が一般的。導入講習が有料オプション(5万円)になるケースもあるため事前確認が必須です。
リースは5年契約なら月額85,800 円(年利5.5%換算)。経費処理できるため法人税圧縮に直結します。リース会社が保険を付帯するため故障時の負担は最小限です。
7年延長で月額は約6万円に下がりますが、総額は540 万円超。サロンの設備更新サイクルを考慮すると5年が推奨ラインです。
リース物件は所有権がリース会社にあるため固定資産税の対象外。消費税も月額リース料に分散され一括納税を回避できます。
満了後は残価15%で買い取り、または最新モデルにリプレイス。後者の場合は講習費も再度無償となるため、技術トレンドに合わせやすいです。
小規模サロン(施術室1床・月30件想定)は中古+早期償却が最速黒字。中規模(3床・月80件)はリースがキャッシュを圧迫せず安定。大型店舗(5床・月150件)は新品購入で5年目以降の利益率を最大化できます。
ものづくり補助金は上限2,000 万円・補助率1/2~2/3。WINBACK は“サービス生産性向上”に該当しやすく、採択事例も多数。申請負担が軽い省力化投資補助金(上限1,000 万円)も併用候補です。
販売代理店は年2回の展示会後に“デモ機放出”を実施し、15〜20%OFFで狙えます。また複数店舗で共同購入しシフト制で運用すれば、稼働率を高めつつ資本負担を半減可能。フェイシャルはWINBACK、痩身は既存EMSなど ハイブリッド運用 も稼働率向上に有効です。
新モデル発売月は旧機種が在庫一掃で最大30%OFFになる傾向。必ずメールマガジンに登録し、先着順セミナーで優先購入枠を確保しましょう。
週3日は本店、残りを新店へといったローテ運用で稼働率95%を実現した事例あり。シェア比率に応じた費用負担契約書を作成し、保険名義は共同名義にすることでトラブルを防止します。
中古本体+新品ハンドピース交換(1本6万円)で性能を担保した例も。総額200 万円以内で新品同等の施術品質を確保できます。
WINBACK は“即効性×手技感”で単価2万円超のメニューを作れる反面、本体価格が高く導入形態の選択が損益を左右します。
補助金の公募スケジュールと展示会キャンペーンを押さえ、資金繰りに無理のない導入計画を立てることが成功への近道です。